Komma usw.

背後にクロチネさんがいる。

ひだり頬を撫ぜる

 眠ろうとして寝台にいると、どうも、空気が動いている。冷暖房装置や除湿や加湿などを何もつけていない部屋なのに、左の頬や耳のあたりを、そよ風よりももっと軽い風が撫で続けていて、光源という言葉はあるが、風源はあまり聞かない、が、その風源が分からない空気が動いている。
 推理小説の探偵などみたいに、何処かに閉じ込められたときの仕草、人差し指に唾液を少し付けて縦に指をかざして、どちらから吹いているのか探ってみたけれど滅法分からない。私は横になっている。空調は何も動かしていない。空気の対流が起こるものは恐らく無い。しかし私の左頬や左耳にやわりとした風がずっと触れている。理由はあまり分からない。
 不安になっていると、奇妙な現象に遭いやすいということはあるかも知れない。変なことってあるよな、とは思っている。実際最近も身の回りであった。最近亡くなったひとの作業に関わることがとみに多かったから? なんてオカルトみたいなことを考えたけれど、そういうことを信じるのは逆に恥だと思っているので、そういう誰かのお気持ちが漂っているとかいう発想は無いです。
 娘希さんは明日6時に起きて、水曜の夜まで出張で帰ってこない。だから私は少し不安だ。不安になると微風が流れるというような、なんだかそういう仕組みってあるのか? 知らないな。




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