Entries from 2016-06-01 to 1 month
どうして、こんなにすぐに夏は過ぎるの。 妹が隣で呟く。妹が夏を愛しているのは、夏休みがある、というような理由ではない。私たちはれっきとしたおとなで、その証拠にふたりで階段の隅っこで、ハイボールをのんでいる。階段は板張りで、ここが蒸す季節は、…
夏が来なかった。 夏が来ないまま雨が降り続き秋になるのではないか、ということだった。 だれもかれもストレスを抱え雨の降り続ける空を、もしくは地面を見た。 僕は一日中、図書館にいた。毎日、図書館で冷房に当たっていた。 夏は来なくても、どこもかし…
扉を開いたら愛しい彼女が目に入り、私たちは真っ先に接吻と抱擁を交わした。 彼女が来ているとは、ほんの少し想像しつつも、約束はしていなかったので、私は多幸感に浮いて彼女の肩に頬を寄せた。きみが来ているのなら、私はもっともっと一番上等の恰好をし…
爪を磨く。鑢で形を整え、色を塗りフレンチネイルにトップコートを重ね、私の爪は歪んだ宝石になる。 爪が嫌いだ。薄く入り込む汚れ。男を抱くとき何処かで私の爪が男の肌を傷めないか気に掛けねばならないその邪魔臭さ。すべては爪の所為だ。 男の恋人は綺…
一週間くらい雨の日が続いた、ような気がする。雨が降ると、どうしてか人と会う機会が減る。減るというか、ほとんど人と会わなくなる。それは僕のせいではないし、別に誰のせいでもなくて多分。多分、カラクリ。そんなカラクリの中で生きている、ちっぽけだ…
www.post.japanpost.jp 和の文様と云えばこちらの本ですね。Adobe全般の巨匠、井上のきあさん。 Illustratorジャパンメソッド作者: 井上のきあ出版社/メーカー: エムディエヌコーポレーション発売日: 2015/11/16メディア: 単行本この商品を含むブログを見る …
『ルリ色のルリ』 「意外だね」で文章を始める。 と、僕が書き始めたらオルゴールのルリは可笑しそうに体を揺らした。 「そうじゃないでしょう?」 「え、違う?」【「意外だね」彼は云った。】「こういう風に始めなさいっていう意図の課題じゃない?」 「そ…
【第100回フリーワンライ】本日のお題1氷雨やがて死にゆく星は掴まれた心は浮遊する川は海へと繋がる「意外だね」で文章を始める今回は記念回ですので、次のツイートでもお題を流させていただきます! #深夜の真剣文字書き60分一本勝負— フリーワンライ企画…
「夏のグリーティング」の発行は、6月10日(金) オフセット6色 シート単位販売520円1セット(シール式)www.post.japanpost.jp == 突出した青が可愛いな。 夏、来るのかなあって毎年思っているけれど、毎年、来ますね。 まあ、そうですね。
少年たちのなかには、世界が内包されている。 ──僕たちは(この書評については、私の一人称は「僕」になるのだ)この書籍を一読では理解出来ないだろう。理解、ではない。恐らくそれは「解析」だ。海は理解するものではない。解析するものだろうから。 僕は…
【第99回フリーワンライ】本日のお題二人だけの竜宮城ドッペルゲンガー運命紅い空好きと嫌いは表裏一体この中から一つ以上選んで執筆してください!22:30より開始です! #深夜の真剣文字書き60分一本勝負— フリーワンライ企画@次回6/12 (@freedom_1write) Ju…