ぱん!
って音がして
そこにはもう私は居ないの
だん!
って足を鳴らす
そこにはもう私は居ないの
不可ないことだ! と人が提唱する
私はそこに居たくない
木蓮は素敵な木です
花びらが広くて肉厚なところが良い
ぐむぐむぐむと木蓮の花を口いっぱいに
口から唾液と一緒に溢しながら
ぐむぐむぐむと飲み込もうとして
飲み込もうとして
咽に詰まって
朦朧として大地に蹲りながら
花を食べて
花を食べて
花を喰うのは鬼畜の所業
もうそこに私は居たくないの
木蓮の花びらに噎せて
口の箸から唾液を溢して
大地に身を預ける
淋しいね
きっとほかのひともさみしいよ
癒せないね
そういうレヴェルの痛みじゃなくて
かなしいね
花とか食べると良いよ
嚥下の苦痛に浸って
意識を失うまで
何歳で死ぬのかな
生きるすべ
白い花はあなたに蜜をくれる
もくれん
白く肉厚な花弁
花は肉なのだ
それを思い出す
花とか食べるといいよ
乱れる紅い花弁
はらはらはらはら
銃痕から散らして
失血、そして、失血
カーネーションかな
薔薇か
赤
ぱん!
って音がして
そこにはもう私は居ないの
だん!
って足を鳴らす
そこにはもう私は居ないの
不可ないことだ! と人が提唱する
私はそこに居たくない
居たくない
痛くない
いたくない
到くない
ぱんっ!
って音がして
だんっ!!!!
って音がして
シテ