日の入り。「さよならリグレット」彼女に壊されることのない、ハイウェイのソプラノを歌っていた。朝、ハルモニイを競っているね。あなたが発するソプラノ、私が差し押さえる。もう暫く逢えないひとたち、光射す場所に居て欲しい。太陽、太陽、ひかり。ブレーメン、ブレーメン、蔓薔薇、私たちソプラノ、2本の鋭い針のようだった。あなたは私よりも高い声を出そうとしている、出そうとしているね。そんなことで優越感を得るの? と思ったけれど、私のソプラノも長く伸びる。そう、生まれついての声だから。
でもねさよならリグレット、ふたりで歌ったこと記憶は、懐かしく恋しく苦しい。もう口も利いて貰えないかも知れない、苦い飴。くちから出せない。舌では溶けない。一生頬張ってろ人生。もう花は枯れたね。ギリギリ、ギリギリ、噛み締めて。
なんなの、嫌われる為に出逢ったわけじゃない。
でもね、さよならリグレットリグレット、小動物の名前みたい。あなたの? 私の? 誰の?
regret.
英和辞典を開いて、その文字のところをペンで消した。
知らなければいい。感じなければいい。
感じなければいい。知らなければいい。
だいたいに於いてお互い死ななければ、もっと良い。
そして、お互い死んでも何も変わらない。それだけのこと。



