高野悦子の命日。
(1949年1月2日 - 1969年6月24日)
中学1年生の春、泣いて泣いていた日々、担任の先生が教室に設えた本棚に私物の本を並べてくださっていたなかから手に取った。12歳の春の出逢いだった。学生共闘の意味も知らずに何度も読んだ。
- 作者:高野 悦子
- メディア: 文庫
私の住んでいた街には電車や踏切は少なくて、でも地下鉄の線路を覗いては退いたりしていた。
それから20歳を過ぎて、東京へ行った際は、なんて飛び込み易そうな線路だろう、と中央線を覗いていた。とても引力がある。
尼崎や西淀に引っ越して、踏切の前ではいつも固まっている。今日も飛び込まなかった。変な汗が流れる。夜中にふらふらと歩いていたら、もしその線路に横たわっていたら、例えば睡眠薬を服用してから横たわっていたら……でも私は先に逝ったひとたちほど闘っていない、そうだろう。
毎年、お正月がくると、『二十歳の原点』と柳美里『自殺』を読むことにしている。それを1年のサイクルに組み込むことによって何があるか今ははっきり云えないけれど、死ぬ可能性を目にしないと生きる可能性に対峙する奮闘から空気が抜けてゆくから、──まあこういうことは思春期に云えば良いと思うのだけれど、私の精神は未だ幼く、その現象が既に恐ろしく醜い。子どもじみている女の身体だけ歳を重ねることは醜悪過ぎる。生きている己の醜悪さに自分の尊厳が耐えられなくなったとき死を選ぶというケース、と柳美里の本には書かれている。
M先生、学級文庫ありがとう、とても感謝しています。
『二十歳の原点』やその他、新潮文庫角川文庫などに並んで、『ねずみくんのチョッキ』が入っているところが、とても好きだった。それを並べて入れている、M先生のことも好き。C組のおかあさん。
- 作者:なかえ よしを
- 発売日: 1974/08/01
- メディア: ハードカバー