寺山修司の命日。アリスの誕生日。大型連休の祝日。
アリスの誕生日と話題にするのは無粋でしょう。不思議の国のアリスは、なんでもない日のお茶会の世界なので、その話は要らないと決める。
寺山修司。
寺山修司という人となりが、人々が連休でうららかに晴れた空のもと楽しくする日に死ぬものだろうかと思ったけれど、ちょっと調べたら当時は祝日ではなかったのですね。この文章は大体こじつけと思い込みですが。私の知り合いでもないのに勝手過ぎます。兎に角、祝日ではなかったとのこと。肝硬変が元々の死因だとすると、安直に(アルコールかな)と思ってしまうのですが、肝臓を悪くするのはひと(特に文藝人)皆アルコールと決めて掛かっては勝手過ぎます。
修司忌俳句というハッシュタグがtwitterで流れてきたので、私も作句しました。短歌と俳句は殊更にコンプレクスが強く、作ってしまうのですが駄目だ、と思ってばかりです。が、作りました。忌日の名前を季語にするのはどんなものか判らないので避けましたが、もしこの単語から寺山修司を想起するなら、季語がふたつある俳句に見える可能性もあります。あと、「花」は使いたくないような……作句への苦手意識……。
花もえて青女少女詩を手繰る
身毒丸をしのぶ母さつきかな
泉遊体#2016修司忌俳句
青年という語は若人を指す如く思うのに、女性を青年と呼ぶひとは殆ど無い。少年は青年になれるけれど、少女はそのあと名前が無い。その日本語に、青女と書いてくれたのは寺山修司。だと思っている。知見が浅いのでこの文章を信じてはいけないが、私はそう思っている。
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少女詩集。
あの少女そのものでしか無いような詩集を著す男性という魅力、そして、本当は少女はそんな詩集など編まないだろうとも思うし、編めないだろうとも、思う。
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身毒丸。
折口信夫に憧れて中公文庫を買った十代の私に混同を起こしていた身毒丸。
最近iPadに入れた演劇のなかで気に入っている男優、藤原竜也も演じている。浪漫過ぎる。
(iPadで見ているだけではなく、普段は演劇動画は音声のみに変換して、iPodで聴くことが多いです)
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天井桟敷。
土方巽の弟子、三上賀代先生が、「私の夫は天井桟敷なの。アングラ夫婦なの」と研究室で私に微笑んでくれた時間は宝物だ。私はアングラが好きなのではないけれど、《追い求めたひとたち》が好きなのだと思う。(三上先生は妄想ばかりに取り憑かれている私に対して、あたたかく接して下さり、いつか廊下ですれ違ったら「先日のレポート素晴らしかったわ!」と褒めて下さったので、自信喪失ばかりの自分に骨を下さった方だと思う)
劇団に生きたかったな、と思うことは多く悔しいのだけれど、何人もひとが常に一体になる場所にいられることは私には出来る自信が全く無く(参加しても短期間で辞めたし)、それはただの私の意気地なしで、それでも意気地なしなりに何かしたいと思う。
造る/創るひとが好き。
そう思えるのは先人がそれをしてきたから。だから、愛している。
好いお天気で、喫煙広場で写真を撮ったり、シロツメクサやらハルジョオンが咲いているのでひとりでびっくりしてテンションが駄々上がりしていました。5月の眩しさは勿論毎年訪れるのに、毎年感嘆してしまいます。テンションが……テンションが……! 連休で行楽しているひとたちに較べて、雑草ではしゃげる自分です。正直、桜の散らしたエフェドリンがこの時期に効いてきたのではないかと思うような……。
花々が恵みの雨で咲く土を見て、皐月の后という唄もむべなるかな、とまた気持ちははしゃぐのでした。