Komma usw.

背後にクロチネさんがいる。

【第115回フリーワンライ】詩「旬」

「旬」

 4つの青春の光がある
 彼等が木陰で隠した言葉

 四人はふたりという形を知らなかったから、森の奥で四人で横たわった、それは女性? それとも男性?

 青年青女

 秘密の飴玉を嘗めるように舌先で触れ合う、それは空
 舌の動きと感覚だけで肉体が分かるとき、虚ろに彷徨うその目は何を求めているのか、ただ涙が

 キス! それは君だから。キス! それが君だから。

 キス味、キミ味、それでも四人共に繋がり合うことは出来なくて、ナミダ、ナミダ、ナミダ、ナミダ、味、敏感な、肌、感覚、カン、カク、キミ、ノ、唾液、ナミダ! 感覚! 痛覚! 震え、る、

 舌、そして震え、躯は、

 個体の孤独をなんとか逸らそうとして、もう碧空が汚れ、


 4つの青春の光がある。
 おのおのみな若く、つがうということを知らずに抱き合うことを希う。




短歌マチュピチュ

マチュピチュを上手く発音出来た日はご褒美マチュピチュ花火を上げる 

終電に乗って消え去る人たちはみんなマチュピチュ星人である

始発まで仕方ないねと立ち寄ってコンヴィニエンスストア・マチュピチュ

マチュピチュのマが示すのは魔法のマ、ピチュが示すのは唯のピチュ 

ピチュマチュと覚え違いの妹の腹違いだった話は止める

終電で降りたらそこはマチュピチュで仕方がないから水筒の水

マチュピッチュ! マッチュピッチュ! と繰り返す妹かわいい妹かわいい

マチュピチュはチーズを少しと生ハムで深夜一時に食べるのが良い

旅行ナビいじる彼氏にナスカなど知らない私はマチュピチュが好い

私もう最終電車に乗ってって一生マチュピチュから出て来ない

マチュピチュは、何処にあるの?」「ペルーだよ」「本当に?」「いや本当はうそ」

     


     

【第111回フリーワンライ 】本日のお題



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