Komma usw.

背後にクロチネさんがいる。

【第122回フリーワンライ】本日のお題



    

【第121回フリーワンライ】本日のお題

   

  

短歌の目 題13回 11月

tankanome.hateblo.jp


はてなブログ題詠「短歌の目」に参加させて頂くことにしました。
(数日前の記事の下書きとあまり変わりませんが……)



題詠5首

1)本
僕だけが僕へと書いた僕の本、一枚一枚煙草燻らす

2)手袋
手袋を片方落として振り向けば小鳩が飛んでゆくのが見えた

3)みぞれ

みぞれはね、やさしく果敢ないねと君が(だって瞬間、溶けてしまうわ)

4)きつね

冬の動物園にゆくと襟巻きの狐が見ているエリマキトカゲ

5)メリークリスマス

メリークリスマス! ひかりは唯ひとつ馬小屋のうえ星の導き



テーマ詠「酒」

五十度ののウォッカベースの透明は熱く焼くから漆黒みたい

絕對伏特加アブソリュートウォッカ一瓶空けるのに三日もかけた、褒めて下さい

ソーダ割? お湯割? と訊かれると 薄まるじゃないか! 憤慨をする

そのへんの女の子たちは下らない サワーチューハイカルーアミルク

バラライカホワイトレディサイドカーシシリアンキス、れもんの輪切り
    

(短歌の目 下書き)

1)本

僕だけが僕に読ませる僕の本 このひと冬かけて書いたんだ

2)手袋

手袋を落としてしまって振り向けば 鳩が飛んでゆくのが見えたね

3)みぞれ

みぞれはね、優しく果敢ないねと君が(だって瞬間、溶けてしまうわ)

4)きつね

冬の動物園にゆくと襟巻きの狐が見ているエリマキトカゲ

5)メリークリスマス

メリークリスマス! ひかりは唯ひとつ馬小屋のうえ神の導き


(テーマ詠「酒」5首未完成)


  

【第119回フリーワンライ】『夢のなかの庭』

『夢のなかの庭』
 うっすらと、うっすらと、目を細めて心で見たら君の背中の向こうに見える、黒い翼の欲望と、白い輝きの神様。

 あのこに近づかないで。

 僕は声を上げようとして、それなのに金縛りの躯、ゼリィになった空気が連綿と続く。苦しい、苦しいんだ。

 君はまだ小さいから、怖いものや人のことを知らない。夜の闇の裏にある井戸を知らない。おおきな神様のことを知らない。

世界に存在する悪魔も神様も、あのこに近づかないで。罪も罰も善も知らない真っ白な君。

 僕は咳込む。僕の頸には縄が掛かっている。これは悪い夢だ。それでも君のことだけは守りたかった。僕は噎せながら涙が出てきて、そのときふっと君が振り向く。

 ──え?

 でも君に僕は見えない。僕はただ夢のなかだけで、君を見つける。見つけ続ける。滲む視界に笑顔の君が、でも君の笑顔はただ、碧空を見上げて、それが君にはとても似合っていると、息が途絶えるなか僕は思う。本当は僕自身が君のことが好きなんだろう。あの小さな蕾に口付けをしたくなってしまう僕なんて消えてしまえばいい。綿飴みたいな恋心に、ざばざばと水を掛けて殺してしまえ。頸のロープが吊り上がり、夢の僕は死んで僕は噎せながら目を覚ます。

 現実。

 生きている僕。

 流した涙の分だけ強くなれるというのなら、
 ただ夢のなかの君を黒い欲望からも白い神様からも知られない庭で遊ばせてあげたい。いつかあの蕾が咲き零れる日を、消える意識の底に浮かべる。



 



 



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