Komma usw.

背後にクロチネさんがいる。

見にゆきたいの、

 文学フリマ大阪13の開催される日で、にゃんしーさんのみ、出掛けていった。インテックスらしい。京都育ちの私は、「インテのイヴェント」というフレーズの表すものを分かっている。規模が大きいということだ、でっかくなった……。一部のひとに「おもちもっちもちビル」という名前で呼ばれていた前の開催場所が好きだな、なかもずは交通手段と場所から考えて苦手気味だけれどインテも苦手かも知れない。参加した文フリのなかでは、みやこメッセがいちばん好きです。京都出身だからそう思うのではなくて、街中にあれぞかし。


 当日、私はお蒲団のなかにいた。この五日ほどここから出られない。何度も体験して分かったが、こういう風にしていると5kg痩せたりする。でもこれは何も情報の価値は無くて、普通の生活に復帰したら4.5kgくらい戻るのが常なので、どうでもいい。あと、絶食によって消えるのは筋肉であり、脂肪は減らない。なんやかんや。別にダイエットについての話をしたかったわけじゃないんですよ。

 新刊も作りなよ、と云われる。
 タオルケットから出て来られない私は、家人に対し「でも今、私ね、見にゆきたい景色が無いんだよね」と答えた。答えてからしまったと思った。それはもう、小説書きとしては死である、かどうのこうの分からないけれど、私のペンネームで私が書いたものの著者としては死である。「すな子」が見たかった。「春眠」が見たかった。今は……何か、あるのか? なんとなく、ううん、と考え込んで、みじめという感情ではないけれど、どうしたら良いか分からないという気持ちではある。でも今、鬱が重い期間なので、また元気な感じが戻ってきたら違うのかも知れない。「見にゆきたい景色が無いんだよね」と答えたとき個人的には虚無とか無とかを感じてしまった。希死念慮というものがあるが、虚無にゆっくり身を浸して、世界を他方から眺めて、年取ってゆく、やっぱりそれはそれで、なんだか……うーん、なんだか……。つくりたいと思う人間でありたいと思う。まだ全然分からないけれど。そもそも何か、公表出来るほど積み上げた過去なんて無いから、他人にはどうでも良いと思う。でも私は私であって他人では無いので……困るよね。たぶん大丈夫です。たぶん大丈夫。そう云うしか無いし。


 

       
   



 web site