- 第一話 誘拐の女王
- 第二話 散歩同盟会長への手紙
- 第三話 カタツムリの結婚式
- 第四話 臨時実験補助員
- 第五話 測量
- 第六話 手違い
- 第七話 肉詰めピーマンとマットレス
- 第八話 若草クラブ
- 第九話 さあ、いい子だ、おいで
- 第十話 十三人きょうだい
- 解説 鴻巣友季子
叔父さんの話を読んで、自分の亡くした叔父を思い出して涙ぐみそうになった。もっといっぱい会いたかったと思う。若々しくて気の良い、気の良いという表現が実に似合う、優しい叔父だった。
以下微妙にねたばれなので畳みます。
- ヘンリー・ダーガー:長大な少女戦士たちの物語『非現実の王国で』の作者。一掃除夫として無名のままこの世を去る。
- ローベルト・ヴァルザー:生涯、散歩者の視点で世界を見つめ続けた作家。晩年は精神療養施設に入所した。
- パトリシア・ハイスミス:『太陽がいっぱい』などの代表作があるアメリカの作家。カタツムリを偏愛した。
- グレン・グールド:カナダ生まれのピアニスト。父親特製の極端に低い演奏用の椅子を使い続けた。
- ヴィヴィアン・マイヤー:乳母として暮らしつつ、生涯で十万点以上の写真を撮影。死後、その写真が広く知られるようになる。
- エリザベス・テイラー:ロンドン出身のハリウッド大女優。八回結婚したことでも有名。
- 牧野富太郎:日本の植物分類学の礎を築いた植物学者。発見した植物に、一度だけ私情を交え、亡妻の名をつけた。