Aはattention pleaseで、Bはbe careful──生徒がふたり並んで、先生が開いたカードの文字の英単語を先に云った方が勝ち。そういうゲーム。
yと私が接戦だった。何度カードを捲っても私たちは同時に答え、また引き分け、とクラスに笑いが起きた。
「じゃあ次の問題が同時だったらふたりとも優勝」
痺れを切らした先生が云ったとき、yは私の手を一瞬握った(同時に答えよう)彼女は囁いた。
「yさん、そういうのは駄目」
先生が素早く咎め、
「P」
Practice makes perfect!!
先に答えたのは私だった。yは笑っていた。あとで、わざとじゃないよ、と云った。手を繋いで白線を一緒に切るみたいな、そういうことを一度、してみたかった気がした。