また土曜日がやってきた。
金曜にワインをのんで、よく眠った私は、土曜の后後、掃除を始める。私は自分の部屋が好きだ。自分で設えたものたちが好きだ。
キッチンを磨く。ガスコンロ、シンク。洗濯したマルチクロスとベッドカヴァとシーツは既に物干し竿にはためき、掃除機を使ったあと、床には薄荷油を吹く。この部屋には、虫一匹出ることは無い。今までも、これからも。
身軽に動いて総て終えると、ベッドに寝転んで、安堵の息を吐いた。精油を焚こう。大切な私の部屋。
台所。
ベッド。
ユニットバス。
行き届いた部屋、というものが私は好きだ。この部屋の隅々まで届く私の考え。隅々まで拡がりゆく私の部屋のなかの私という現象。