昨年逝った祖父の誕生日。生きていれば90歳になれていただろう。
朝と夕方に祖母に電話を架け、話した。母の送って寄越したお仏壇前の様子は賑やかだった。賑やかだったが、この部屋に、祖母が、独りで、座っている、それを想像すると吐きそうなほど涙が出てきて私はごおごお泣いた。尼崎と京都は怠惰な私にはちょくちょく行ったり来たりするには遠い。
祖母は朝から、「赤い薔薇を買わなくちゃ」と云っていたが、「赤い薔薇は元気が無かったの」と黄色いちゅーりっぷに変更した。祖母は祖父の墓前の花の為なら、スーパーマーケットに行けるのである。他の用途では出掛けることは無い。
祖父がずっと前に描いた自分の似顔絵は、左が当時の祖父で、右の痩せているのは、もっと歳をとったときの自分、との事だった。わりと似ている。
