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夕刻に自由軒のカレーを食べに行こう、と家人と話が決まり、自由軒のライスカレーなら『夫婦善哉』を読んでおかなければ、と読んだ。
素行の悪い男と長年連れ添いながら、蝶子の心にあったのは愛情なのだろうか。愛情とは違う感情装置が、この時代には働いている気もする。プライド? 人情?
しかし最後に夫婦善哉を食べたとき、やっと夫婦という間柄になったことはしみじみとしたものだろう。夫婦(めおと)という単語に懸ける必然性が、自分などにはよく理解し難いのだけれど、結局はそういう関係になりたかった十数年を経たんだろうと思った。
自分は結婚して10年だが、それでも「ふうふ」という単語は身に重過ぎる。ましてや「めおと」は背負えない。それは私の甘ったれ具合だろうか。蝶子は何を求めて暮らしていたのだろう。
調べたら本町の自由軒は、日・祝定休日。食べられなかった。ライスカレー、お預け。(しかし心はカレーだったので、CoCoカレー壱番屋に入った)