Komma usw.

背後にクロチネさんがいる。

『イッツ・オンリー・トーク』

 

イッツ・オンリー・トーク (文春文庫)

イッツ・オンリー・トーク (文春文庫)

 躁鬱病の主人公女性と、真っ当とは云い難い男性友だちたち(元同級生の議員候補、痴漢、鬱の親戚……)酷くひずんでいるかも知れないのに主人公のドライな語り口は何もかも当たり前のようにこなしてゆく。哀しみも痛みもそれが当たり前に受けるべきものであるかのように。そして「イッツ・オンリー・トーク(ただそれだけの話)だよ」と締め括る。本当はそれらすべてを大切にしているくせに。いや、大切にしているからこそ、なのか。



 web site