はてなブログ題詠「短歌の目」3月分です。
題詠5首
1)草
仮の名を早苗と名付けた晩冬が今は「草子」と名乗ってわらう
2)あま
「終わりだけゆめみてた」四年前の日々「あまい」を歌った四月ばかりの
3)ぼたん
葉ぼたんをキャベツのサラダに飾るなら花のぼたんはディナーのメイン
4)鳥
鳥の眼が飛び去ったあとの冬の日はいつしかパンを蒔かなくなった
5)雷
開かない部屋の氷雨の子供たち春の接ぎ目に落ちた雷
テーマ詠「捨」
掃除好きの親が云うには捨離捨離と小気味の良い音がするのだと
仮令ばね捨子だったら幸せが淋しくなかった微塵のひかり
水の音が遠く遠くにささやけく砂を捨てずに季節を過ごす
この日々はもう欲くない鍵を開けたままで出る掃除機は捨てる
木曜日ものを捨てることは怖い燐寸を出してロープを吊るす
2月に参加した記事はこちら。