Komma usw.

背後にクロチネさんがいる。

『ようこそポルトガル食堂へ』

 

ようこそポルトガル食堂へ (幻冬舎文庫)

ようこそポルトガル食堂へ (幻冬舎文庫)

 海外の地元料理の紹介エッセイには幾つも面白いものがある。それで、タイトルを見て読むことにした。海外料理エッセイに於いての著者は、読者にとって料理を食べに行った店のホストだ。どんな人柄かが十分に影響する。この本の著者は若干面倒臭いところがあるが(ワインの微炭酸を求め続けたり)だいたいは面白かった。何を食べるときも躊躇無いのが良い。ポルトガル料理は豚の血や腸詰などもふんだんに使われている。
 そもそも「天婦羅」の原語はポルトガル語であって、南蛮漬けという料理もある通り、日本とポルトガルのあいだには料理に関して触れ合うところがある。
 しかし、登場するポルトガル料理はざっくばらんと家庭的で、量が多くて、豚や鶏の身体を余すところなく使っていて、一歩飛び込めば美味しそうな世界だな、と思った。
 
 私が今のところ一番好きな海外食生活エッセイは、林望先生です。
 
イギリスはおいしい (文春文庫)

イギリスはおいしい (文春文庫)

ホルムヘッドの謎

ホルムヘッドの謎

イギリスはおいしい 2 (文春文庫)

イギリスはおいしい 2 (文春文庫)



       
    

『うさぎ収容所』

 


 『うさぎ収容所』著・madeleine
 文学フリマ大阪で買った本を読みました。氾濫するうさぎを集めて燃やす犬のシュールな話を期待していて、良い感じに違いました。無駄な文や隙間が無くきっちりしていて、素直、率直な物語の組み立て方が魅力的だと思います。こんな感じに書けたら良いな。綺麗なものをただ単に綺麗だと著すことは、私にはとても難しい。そういうことも考えました、(madeleineこと、まど氏がこの本を入稿するお手伝いをさせて貰ったのですが、他意は無く)これは良い本ですね。良い本だ。良いぞ。

『Who are you?』

 


『Who are you?』著・桜鬼

 8月31日、HUB a NICE D! #4 にて購入。
 三ノ宮のHuBで飲酒しながら購入しました。イヴェントが開催予定だと知った桜鬼はなおにさんが、開催が確実かどうかも決まらないうちに印刷所を予約したとの本。そういう大胆に見えるところと、繊細なところを感じます。前述通り、桜鬼さんからは何処かしら、いつも感じるのは稲垣足穂


 桜鬼さんweb

 naminoyorube.jimdo.com


      

ちがあかビーバップ

 

    

『ダス・ゲマイネ』

 

太宰治全集〈1〉 (ちくま文庫)

太宰治全集〈1〉 (ちくま文庫)

斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇 (文春文庫)

斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇 (文春文庫)

 twitterで桜鬼さんが「太宰治が読みたい気分」というようなことをpostしていらっしゃったので、いきなり薦めました。無事(無事というか)それを受理していただいたので、私も再読。
 常々云っていますが、太宰治のなかで好きなのは『葉』です。
 

葉

晩年 (角川文庫)

晩年 (角川文庫)


 桜鬼さんのwebサイトはこちら。ご本人の持っていらっしゃる綺麗な雰囲気によく似合う綺麗なサイトです。楚々とした方、と云い切りたいような気もしますが、かなりガッツのある感もあり良いです。
 naminoyorube.jimdo.com

『横浜カオスアンソロジー ジーク・ヨコハマ電書版』

 

横浜カオスアンソロジー ジーク・ヨコハマ電書版

横浜カオスアンソロジー ジーク・ヨコハマ電書版

  • 白色黒蛇「Guan YU in Yokohama」
  • 夕凪悠弥「横浜に星は墜ちて」
  • ひざのうらはやお「Dear Y」
  • 今田ずんばあらず「半球のスター・ダスト」
  • へにゃらぽっちぽー「ヨコハマさん」
  • 転枝「赤い光、横浜」
  • 座談会

 この本は紙書籍版を月末にHBaNICEDというイヴェントで、ひざのうらはやお氏から購入する予定ですが、kindleUnlimitedに登録されていたので読みました。たぶん電子書籍の方だけだと思うのですが、段落文頭一字下げが無い……。今田ずんばあらずさんとへにゃらぽっちぽーさんの童話風(?)かと思うものが2篇、ひざのうらはやおさんの恋愛小説、ほか、という感じでした。そしてこのひとたち、横浜住み軍団ではない。勘違いしそうになりましたが、そうじゃないんだ。縁がある、程度のひともいる。むしろ静岡に住んでいる筆者もいる(!)

 横浜らしさなのか(?)家系ラーメン(かけいとは読まない)の話が2篇もありましたが、関西住まいの自分にとってはよく知らない世界。ひざさんの、横浜と神戸を繋いだ恋愛小説が良いなあと思ったり(神戸&横浜セットは、2019年創作界のブームかも)。
 ブルーライトヨコハマに掛けている部分がある掌編も2作ありました。
 文学フリマなどで多少お話したことのある方々が執筆陣なので、座談会の部分は身近な気分で読了。

 
 執筆陣のなかでも特に、ひざのうらはやおさんのブログは楽しんでいます。(これは拙著のことを書いていただいた記事のひとつ)
 houhounoteiyudetaro.hatenablog.com


     




        



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