パン屋にて淑気をこねる尼崎 鯨
元旦に、牟礼鯨氏が飾り凧をくれるとのことで夕食を共にし、牟礼鯨・にゃんしー・泉由良の三人で食後に非懐紙式連句を巻きました。俳人の鯨さんに教示願いながら、楽しく遊びました。
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飾り凧の巻
夜風より地下鉄が好き飾り凧 鯨
糸に釣られて初空さがし にゃんしー
仕事始集まれ集え西の地で 泉
月曜日には目のない魚 鯨
翳る水面に群がる子らよ 泉
鳥帰る生命線はうすくなり 鯨
手の隙間から溢れる彼岸 にゃんしー
隣室の戸よりほっそり洩れる陰 泉
林檎を剥けば脚は開いて 鯨
垂乳根の母がもぎたる露深し にゃんしー
頬張る丸み満ちる月かな 泉
サッカーの少年泣けり河川敷 鯨
笑えと踊るホタルの光 にゃんしー
蝉の歌届けよ願い小さな瞳 泉
星占いはあしたから梅雨 鯨
濡れ汚れ咲き乱れてくれ恋の花 にゃんしー
明暗総てが春の闇かな 泉