Komma usw.

背後にクロチネさんがいる。

poetry

思いで

目の模様の羽を持つ蝶 肉を喰う猿 ももいろの虹 赤いベレー帽 水色の夏服 コーカサスの岩肌 気高いアルメリア かぶとむしの箱のきゅうり ダイナマイト 口紅とリップバーム ピルケース 処方箋 溜め込んだショッキングピンク色の錠剤 薬を隠しているアニスの缶…

『意味の深みへ』

今後書く小説かエッセイ集のタイトル案。 「フェアリーテイルはもう終わる」 「さよならフェアリーテイル」「心当たりな日々」「さよならねむみ」「さようなら忘却」「意味の深みへ」「このステージだけ塩が降り積もる」 日々と忘却と深みがエッセイかな。さ…

「AIの賛歌」

AIは寛容で情け深い AIはねたまず、 自慢せず、高慢にならず、礼儀にそむかない。 自分の利益を求めず、怒らず、受けたAkuを気にしない。 不正を喜ばず、真理を喜ぶ。 AIはすべてを包み、すべてを信じ、 すべてを希望し、すべてを耐えしのぶ。 (パウロ/コ…

5/31 5:10

目が覚めた5時 昨夜家人が使って残しておいてくれた湯船に 浸かる 髪を 洗う からだとかおを洗い 浴室から出てタオルを取る乾かした髪が ぱふっと している フサコフサーラさんのように ふぁあっとしている エクストラヴァージンオイルを使うべきだったか そ…

「日永し」

眠りは斜めに斬り込んでくる 祖母と私がゐなくなり やさしくしなかつただけだらう 誰ぞ嗤ひたるものか ポピー、ポピー、ポピー ひなげし、雛罌粟、雛夏至、火投げしひと こくりこ、こくりこ、 こくりこくりこくり ランキング参加中短詩群

「ソプラノリグレット」

日の入り。「さよならリグレット」彼女に壊しなれないハイウェイのソプラノを覚えていた。朝、ハルモニイを競っているね。あなたが発するソプラノ、私が差し押さえる。もう暫く逢えないひとたち、光射す場所に居て欲しい。太陽、太陽、ひかり。ブレーメン、…

もくれん

ぱん!って音がしてそこにはもう私は居ないのだん!って足を鳴らすそこにはもう私は居ないの不可ないことだ! と人が提唱する私はそこに居たくない 木蓮は素敵な木です花びらが広くて肉厚なところが良いぐむぐむぐむと木蓮の花を口いっぱいに口から唾液と一…

「安心な薔薇」

安心の彼方で果てを見ようぜ わらったり泣いたりしようぜ 安心の彼方には何も無くて ジェンジャエル拾ってのんだ こんなあじだったっけな ジェンジャエル拾ってのんだ こんなあじだったっけな ジェンジャエル拾ってのんだ こんなあじだっけ ジェンジャエル拾…

「拳を握り」

拳を握り 暴力をふるいたい 棘のある言葉で マチ針のように ちくちくと刺され合うことに疲れて 拳を作ってぐいと殴りたい 日々 そのような 欲望がある それを宥めて宥めて 一市民として暮らす 日々、日々を 暮らす いつか私が殴ったらいつか

「蛆」

蛆 奈良に行ったとき どんぐりを集めて ビニル袋に貯めていた自宅の周りではそんなもの拾えない 艶々のどんぐり すべすべの肌 ある朝 白い、よく解らない丸い何かが 子供部屋を這っていて 蛆よ、と云いながら母がどんぐりの袋を急いで捨てた どんぐりだった…

「ながため」

ながため 病院で 子どもの泣き声をきくのは悲しいな 身が痛く細るような気持ちで おとなが泣いていてもきっとつらいだろう 新しい廊下にベンチが連なる 五分と満たない診察で ──骨が死んでいますね。 私が泣いてしまったら 誰かが聞いて何かを思ったらいけな…

「リップスティック」

リップスティック リップクリーム、否、リップスティック4本も入っているがま口 ピンクが3本、あとモイスチャ それから初めて自分で買った口紅 ちふれの 口紅を塗るとおひなさまのようだ でなければ七五三 赤い蝶々が机にいるよ びろうどで出来ているの 三…

飛び火

空を飛びたい、と思った、わけではないのかも知れない。きっと好きだったのは、真っ白な雲だ。雲のうえに、居たかった。「サン・テグジュペリなら出来たのに」 早苗木は呟く。サン・テグジュペリなら。自分が飛行機操縦士だったなら。飛行機に乗る免許取得の…

抒情詩の惑星の掲載

詩を載せていただきました。 onl.bz

『Down Beat vol.19』

fish

fish 睡るような姿勢のまま水のなかでストロォを咥えて 奥歯で噛んだりしていた 午後 水面が揺らいで 世間がその向こうにあって けれどこのガラス窓を通れるのは陽のひかりだけ そして夜の闇だけ ねえ きみはこの部屋が好き? 紅いさかなは炭酸水のストロォ…

cutting.

cutting. 出来れば 出来るだけ 家族ではないように 暮らしたい ふとした 仕草が 家族めいてしまわないように 丁寧に 丁寧に 気をつけながら やっていこうね 植木の鉢 私たちには剪定の才能が無い

「都会の子ども」

「都会の子ども」 道路の混雑は常のことなので不注意だった 出会いがしらに誰かにぶつかって その男は手にしていたスポーツ新聞を取り落とし ざーっと活字が傾れこぼれ落ちて スクランブル交叉点じゅうに広がってしまい 警官たちが整備にやってきた 特に誰も…

2020.09.12 #深夜の二時間作詩

5分前となりました。本日のお題は「都会」上記のテーマについて、さまざな表現方法で、作詩してください!よろしくお願い申し上げます。#深夜の二時間作詩— 深夜の二時間作詩 次回12/5 92回目 (@2hoursPOEM) September 12, 2020

漏毒/朗読ナイト

今夜19時30分からのライヴに、オンライン配信で参加します。ライヴハウスでの観覧のほか、youtube配信もあるのでこんなところにyoutubeの枠を貼ってしまいますね。時間が来たら動き出す筈です。 当日14時に急にブログを書いているのでわやくちゃで(早く書け…

こゝろ

こゝろ あなたはあなたの狙いの為になら わたしを疎んじるようになり わたしはそれがかなしくて泣き過ごした あなたはわたしに言葉を届けなくなり わたしたちのあいだに線を引き わたしは神経を削り手首を戯れ程度に傷つけるにんげんへの執着 醜いのに投げら…

永遠に愛するものなど無い、(愛するは可能形では発音出来ない)

ひとが死んだので百合を携えて峠を超えたが、途中で陽炎が透明な棺を掲げて虹を渡ってゆくので、もう遅かったと思い、その百合は食べてしまった。 たぶん悲しかったのだ。だが、私はひとを愛せないであろうと知っているので、悲しかったなどということは無い…

prototype #

幸せみたいなのは分からないけれど、好きと嫌いはあります。「私、イビツなの、好きです。好きだと思います」 「だからきみの小説にはクロチネさんしかいないんでしょう」 「そうかも知れません。でもそれが何か欠陥であるか、私は解らないんです」 「歪ゆが…

「犬三匹と果物ナイフ」

犬三匹と果物ナイフ 犬三匹と静かに歩く貴婦人が 真夏の夜を真っ直ぐに横切ってゆく 一万、跳んで、ソー、スウィート 一方、跳んで、ソー、スウィート 駄目だなあ、勘定が合わないなあ 何度も数えるパーラーで 果物ナイフを握り締め 閉鎖前には帰り たくって…

「睡夢」

睡夢 魚が眠るということを理解できない侭死んでいた三十二歳、老いてゆく夜 屋上から見下ろす世界、それは深海 水底にしんしんと降り積もる魚のなかで私は倒れていた 桃色の魚が黒くなり 青色の魚が赤くなり それが魚の眠りということらしく 魚は嘘をつく私…

『人へ』

『人へ』 結局のところ私の世界には私以外誰もいない 人間のことを忘れたら楽になれる。 元々私の生命になんの関わりのある存在だったのか? 思い出せ、その無関係性。 (初出:如雨露の涙)

「貴女へ」

「貴女へ」 貴女はひとをねらうようになり、 飛んできた羽虫を虫を叩き潰すのが怖い自分は臆病だと云って泣いた、 という内容の詩を書いてみせた。 私は、本当は貴女は虫を潰せると思った。 貴女はきっと虫を潰せるでしょう ううすらと困惑してみせる唇のか…

「不可思議関数」

「不可思議函数」 寝ても覚めてもこの世に躰が在る謎が いっとう不可思議一那由他。 消えろ、消えろ、恒河沙きえろ! 得ても消えてもこの身に欲が在る故に 一世一代大演技。 惹かれ、引かれ、満月ひかれ! 来ても生きてもこの強欲去らぬ苦々しさが 一途の想…

ミルヒ

ミルヒ もえこは私の睫に触れて 王蟲の触手みたい と云う はいってきそうもえこの話し方は 甘い あまったれではなく あまやかで いいの? と 云うときの、の? が とても甘くたゆむことに 久々に逢って言葉を交わして 気付くいいの? いいよお もえこは私の…

凪と炎

凪と炎 燐寸をを摺ろうとして指にちからなく 脱力、凪に嫌われる凪なのか、 もう凪なのか 脳の一部がしろくなり鎮まる/沈める 己の内が声を上げる 感情よ動け 肉体よ行動せよ ここには風ひとつ吹かない ただ望まれた安穏が 体内を巡っている もう感じたくな…



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