Komma usw.

背後にクロチネさんがいる。

if もしも

福島と福岡を間違える友が高校時代には二人いた
(馬場めぐみ「if」より(短歌研究2017年3月号)

 if ......だったら、「福島と福岡を間違える」友人が今も二人もいたんだろう、という、

 

短歌研究 2017年 03 月号 [雑誌]

短歌研究 2017年 03 月号 [雑誌]

 まだあまり読めていません。
 女性歌人特集の前提にあまりにも「命短し恋せよ乙女」振りが塗られていて、所々際立たない歌はその概念のまま止まっている気がしたりしていますが、しかしまだあまり読んでいません。

 このブログ上の「if もしも」が何を指すか分かるひとはそういうタイプの映画ファン。

 

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? [DVD]

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 話はぐちゃぐちゃなのですが、死ぬような出来事があると今は余生か、もうあの世なのか、と感じてしまう質の人間がいて、震災はその人数を少し増やしたのではないかと思ったりします。

   
 
   

   

並行世界

三月十一日姪二歳

 

ひとが死に知るつど吾も死なねばと思ふ私がまた生きてゐる

無償の愛は血にも知らぬが吾死ねば祖母を亡くしてしまふ気はする

蘇生した弟よきみは兎に角もいつも希みの方角へゆけ

姪は今日二才になつて我迷ふ、記憶されないうちに消えねば

やはり又他人の自死を遠く知り吾も死なねばならぬと思ふ

 

他人の死吾の人生選ばれた使命などとはとても云へない

呪ひ怒り恨みより祈りなのだらう私の腹に煮える湯の悪

黙祷といふより二歳児が初めて食べたチョコレイトそれが希望

 

だいじょうぶ繋がると伝へ続けた日五時過ぎにやっと怯へられた

福島に再建に行く弟に乳児の甥の健康を問ふ

電気が水が停まらなかつた福島にゐなかつただけで懺悔するひと

 

ひとは何処かでなんかで死ぬし自死もする吾も死なねばとはまた思ひ

姪と甥が喪服で伯母の葬式の控へ室にて退屈をする

夢想より想像と云ふより予想適はぬ迷ふ生きる不可ない

生きたかつたひとと生きたことを伝へるひとと薬を致死量図る吾の

 

人形を貰ひ真白いほっぺたにべたべたチョコを付けた二才児


 
その土地に居なかつたのだ、あの日から若き表現者の詠む余生

 
午前には災害訓練鳴り響き同時にごみ収集車も鳴つてゐた
 
淡々と揺らがなかつた今日の日に歌を詠むのは唯自己嫌悪
 
大切を理解したいと思ふ日

 

https://www.instagram.com/p/BRfTvoiFKE3/
20170311

『短歌研究3月号』

 

短歌研究 2017年 03 月号 [雑誌]

短歌研究 2017年 03 月号 [雑誌]


 馬場めぐみちゃんが掲載されていると知り購入。
 私は以前同人短歌誌をお気軽に作り、彼女にゲストになって貰った際、その端正さに己の至らなさを思い知り、暫く歌を作らない期間がありました。強く影響を受けた、というやつです。



    

J文学

 Wikipedia河出書房新社が発していたJ文学という事実に関する記述が無くなっていた。数年前は弱々しくも存在していた覚えがあるのだけれど。先ず、webで検索すると「Jブンガク」というNHKでやっていたらしいTV番組の項目に飛ばされてしまう。その頃には教育TVを観るのも止めてしまったので知らないし、そのうえ薄々知り始めたが今は「教育テレビ」という名称では無くなっているみたいですね。そしてNHKは「Jブンガク」という番組を作ったとき、90年代の河出書房新社の活動について、そっくりなタイトルになるというような関係を考えることは無かったのかな。河出書房新社の存在感とは……(こういうことwebに書くと出版社の人に見つかる! 怖い!)


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 2011年頃twitterはてなダイアリーで知った書き手の人について、
「J文学好きなの?」と云い当ててしまったことがあり、それで馬が合うと云うことだったのか暫く組版をしたり会話をしたりLINEをしたりしたあと、
「〜〜さんの小説面白くない」
 と云ったらその後何も音沙汰が無くなってしまった。たぶん色々なものをブロックされたりその後ブロックを解除されたりしているのだけれど、賞の選考の当落の話が伝わってきたのでまた彼のアカウントをフォローしておいた(私は悪趣味だ)
 何が云いたいのかというと(書く人同士の)対人関係ってそんなものにしてしまうわけにはいかないだろうよ、ということだ。
   

*1 

     

*1:ちなみに私は90年代半ばに文学賞を受賞するにはどうすれば良いだろうかと考えて上記の本を買ったのだったが、実際のJ文学愛好者ではなかったというか、ださいと思っていた。私は、というよりも世間全体的に河出書房新社の売り文句は引かれていたのが実情だったと思う。行きつけだった大型書店では棚の見出しに「日本文学男性」「日本文学女性」「J文学?」と書かれていて、そのクエスチョンに苦笑してしまった。良い書店だった。

psqs#004「花の宴」

掻き乱して  抉り出して 睨み付けて 火を点けて /
いいえ、嘘なのよ、灯が欲しかっただけ /

鮮やかだった夕映えももう、
青い影を引き擦り落として、夜空が躰に溜まるから /


 ほぉらまたひとつ傷付いた /
 
 ほぉらまたひとり逃げてった /


流れゆく、ものはみな、失われ、時は過ぎ、ひとは去る /
最後に浮かぶのは、甦った花の饗宴 /







20130722

psqs#005「晩餐会のトランプ」

晩餐会のトランプ


 有りがちな逡巡と疑問符/五線紙を灼くセンシティヴ/サディスティックディスカッション/三角錐とミサンガ/
 ほんとうに当人達は知らぬを決め込むランプ/日陰に落とすトランプ/残骸遺す火山灰/晩餐会の散会後、/
 この子はもう、返しません。












20141011



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